絢爛(けんらん)たる一族 華と乱

雪の夜、木府の門前に2つの影があった。

1人は木氏との覇権争いに敗れて滅ぼされた一族の残党である西和。

もう1人は西和の姪・阿勒邱。

彼は、まだ幼い姪を木府に潜り込ませ、積年の恨みを晴らそうと目論んでいた。

（45分）

松明祭りの最中、黒衣の男たちが刀を手に木増に向かってきた。

阿勒邱は反射的に彼の前に立ちはだかり、辺りは騒然となる。

高玉龍らも駆け付けようとするが、逃げ惑う群衆に行く手を塞がれ思うように動けない。

（45分）

木増の命を救った阿勒邱は、その褒美として、掟を破ったため罰を受けている木坤の解放を訴えた。

その無欲さと優しさに感心した羅寧は、死んだ諾蘭が行っていた金鉱の管理を彼女に任せようと決める。

（45分）

「諾蘭は生きており、誰かと組んで黄金を横領した」との木坤の言葉に、木隆は動揺する。

誰かとは、紛れもなく彼自身のことなのだ。

彼が木坤に、この件を口外するなと告げて屋敷の門外に出ると、ある男が待っていた。

（45分）

土司・木旺から、阿照を釈放し、金鉱管理の助手として側に置くことを許された阿勒邱。

2人は、この先姉妹として支え合うことを誓い合う。

西和は、阿照の存在に不満を持つものの、阿勒邱の信頼は揺るがなかった。

（45分）

阿勒邱は、腕輪を盗んだという身に覚えのない罪で死刑囚牢に投獄された。

彼女を救おうと牢屋に来た西和。

「復讐は諦めよう。

これが私の最後の願い」と言う阿勒邱に、西和は必ず助けてやるから弱音を吐くなと告げた。

（45分）

西和は阿勒邱に毒を渡し、「羅寧が毎日飲む山羊の乳に混ぜろ」と言う。

動揺しながらも阿勒邱は命じられた通り実行するが、その一部始終を阿玉に目撃されていた。

そして、阿勒邱は衛兵らに剣を突き付けられる。

（45分）

阿勒邱が灯りを消そうとすると、阿照は「消さないで」と彼女に駆け寄り、「闇が怖い、目を閉じるとあの人の顔が浮かぶ」と言いながらその場に崩れ落ちる。

阿勒邱は戸惑うが、彼女を抱きしめて必死で落ち着かせた。

（45分）

決闘は終わったが、1人の神廟武士がなおも木増に襲いかかる。

彼は木増暗殺の命を帯びた西和の手下が扮した者だった。

そして万事休すかと思われたが、木隆のおかげで無事に事なきを得て、三朶神の試練は幕を閉じた。

（45分）

木旺から木隆に告げられた軍での役回りは雑役だった。

その上、騒ぎを起こし、上官である阿雄に狼藉を働いた罰で鞭打ち30回の刑を課せられる。

阿雄は、自分の責任なので処罰してくれと訴えるが…。

（45分）

木羅には何か裏があるとにらんだ阿勒邱は、内実を探るため木増と共に働き口を探している夫婦を装って金鉱へ潜入する。

その夜、阿勒邱、木増、高玉龍、阿照の4人は人目を忍んで集まり、木羅の件で話し合うが…。

（45分）

「人質を返せ」と木羅の目の前で言った男こそ、木府の嫡孫・木増だった。

思いもよらぬ事実に驚く木羅。

しかも人質とは阿勒邱のことらしい。

木増は、阿勒邱を誘拐できるのは木羅しかいないとにらんでいた。

（45分）

木増は阿室于と結婚するのが一番いいのだ、と阿勒邱は諦めていたが、「復讐の邪魔になる阿室于を殺す」との西和の言葉を聞いて冷静ではいられなかった。

しかし、西和は全てはお前のためだと阿勒邱に言って譲らない。

（45分）

「坤と私は君との結婚を望んでいる。

どちらか選んでくれ」と木増から告げられた阿勒邱。

自分の回答次第で彼らの運命は変わってしまう。

彼女は静かに、「お2人とも好きではありません」と申し出を退けた。

（45分）

阿室于が差し出した紙には「君はわが妻」とナシ族のトンパ文字で書かれていた。

増兄様が書いてくれた、と自慢げに話す阿室于。

「君が喜ぶことなら何でもする」と微笑む木増。

阿勒邱は2人を見守るしかなかった。

（45分）

何が欲しいかと羅寧に問われ、巴諾は「褒美をもらうような手柄など立てていない」と答える。

しかし、羅寧には考えがあってのことだった。

巴諾は野心を持つ曲者ゆえに忠誠を誓わせるには「飴」が必要なのだ。

（45分）

雪深い殉情谷で心中を企てた木増と阿勒邱。

死を目前にし、阿勒邱は自分が木府に来た本当の理由を語る。

「一緒に死ねるのは幸せなことなのね」と木増に問いかけるが、木増はすでに意識を失っていた。

（45分）

「木増は自分ではなく阿勒邱を選んだ」との事実が阿室于を憤慨させた。

そんな彼女に阿月拉が、刺繍を教わりたいから部屋に来てほしいと言う。

一方、頭巾を被ったまま現れた阿勒邱を前に、図巴は不信感を募らせる。

（45分）

阿勒邱を諦められない木坤に、「望みはある。

本当の気持ちを確かめてみることだ」と囁く西和。

躊躇う木坤だったが、彼女の本心を探ってみることに。

そしてこの会話を、偶然通りかかった阿勒邱が耳にしていた。

（45分）

婚礼を終えて戻ってきた阿勒邱が、阿照の用意した食事を味わっていると、阿室于が来た。

阿勒邱に茶を入れろと指図したかと思えば、熱過ぎると言って放り投げる。

その尊大な振る舞いに阿照は怒りを抑え切れなかった。

（45分）

謝天の無礼な態度に憤る木隆。

木旺は、謝天にこの場を去るよう促し、出陣前の祭祀は中止になる。

木隆は「殺す」と怒りが収まらないが、勅使である謝天を手にかければ、木府が罪に問われることは明白だった。

（45分）

阿室于と共に羅寧に呼び出された阿勒邱。

木府と私をだましていないと誓えるかと問われた彼女は、木増を愛しているから傷つけないと答えた。

それに対し、羅寧は阿勒邱に「お前を追い出さねばならぬ。

」と言い…。

（45分）

阿室于は先祖の位牌を地面に叩きつけた。

真っ二つになった位牌と、傍らに立つ阿勒邱の姿を侍女の小顔に目撃させ、「阿勒邱が位牌を壊しながら土司に呪いをかけていた」と証言させる目論みだった。

（45分）

妾という立場の自分を軽視する商人たちに対し、交渉役が私では不満なら義父上と変わるわ、と笑顔を浮かべる阿勒邱。

続けて彼女が発した「そうなれば死罪は免れないでしょうね」との言葉に、商人たちはざわつく。

（45分）

木府軍は敵に取り囲まれ、勇みをみせる木増。

次の瞬間、木旺の拳が彼に振り下ろされた。

木旺は気絶した木増を安全な場所へ連れ出すよう高玉龍に命じ、数名の兵士だけを引き連れ、死を覚悟で敵陣に突撃した。

（45分）

「生き残った偵察兵の中に羅寧の手の者がいる、その密偵と連絡が取れるのはお前だけだ」と阿勒邱は言われ、彼に会うため図巴に連れられ約束の場所へ向かう。

しばらくすると、それらしき人物が現れるが…。

（45分）

麗江と木府が何度も危機に見舞われながらも持ちこたえたのは、人知れぬ力に守られてきたからだと木青は言う。

その力とは、彼らを指揮する土司とその妻、そして長子だけが存在を知る隠密の組織・暗梟衛隊だった。

（45分）

軍に奇妙な動きが見え始めていた。

裏切る兵士はわずかだが、「手を打たねば兵権を奪われる」と西和は木隆に伝えるが、「土司は兄上だ、父上を殺めた証拠がない限り逆らうことはできぬ」と言って動こうとしなかった。

（45分）

「木旺は西和の謀略で死んだ」、と白鬼営の統領は虫の息で阿月拉に告げた。

全ては内通者である西和が仕組んだことだ、と疑惑が確信へと変わった阿月拉は、必ずややつの本性を暴いてやると急いで馬を走らせた。

（45分）

木隆が用意したのは飲めばすぐに絶命する猛毒の「黄泉の酒」だった。

木隆はこれを杯に注ぎ、木青に「兄上、覚悟を決めよ」と静かに言った。

一方、城東・一番地の小屋で、阿勒邱が木増と涙の再会を果たす。

（45分）

土司就任を明日に控えた父・木隆の元を訪れた木坤は、就任式の式場で自ら兵を率いて警備をするために兵符が欲しいと訴え出る。

息子の申し出に喜んだ木隆は、その場で兵符を預けることにしたが…。

（45分）

「なぜ自分を逃がすのか」と問う木隆に、骨肉の争いをやめ、誤解が解けることを望んでいると告げる木増。

しばし見つめ合った後、木隆は無言でその場を去り、大軍と共に永寧へと戻っていった。

（45分）

木増が戻ってくると、阿照が酒を用意して待っていた。

彼女は口論になった阿勒邱と仲直りがしたかった。

「阿勒邱は怒っていないから」と帰るよう木増が促しても、もう少し話がしたいと彼女は酒を差し出す。

（45分）

「麗江と永寧の和解には木坤の力が必要だ」との木増の言葉を聞いた阿勒邱は、彼に告げずにある場所に向かった。

実は前日、「木坤が内密に会って話をしたいと言っている」と彼の部下から聞かされていたのだった。

（45分）

永寧でとらわれの身となった阿勒邱は、自分の生存を早く木増に知らせたかった。

阿勒邱は西和の策略によって殺されたことになっているのだ。

「お願い、ここから出して」と阿勒邱は泣いて懇願するが…。

（45分）

「お腹の子を奪うなんてあんまりです」と嘆く阿照。

堕胎薬を買ったのは阿勒邱で、その口止めに黄金を渡されたと証言する呉医師。

妊娠も、その見立てもうそだと告白すると約束したこの2人に阿勒邱は裏切られたのだ。

（45分）

掘り尽くされたという金鉱を調査すべく木増、阿勒邱、徐霞客の一行が現場を訪れる。

その晩、木増殺害の密命を帯びている阿虎は、心の中で詫びながら彼の部屋へ向かう。

その時、背後から呼び止める声がした。

（45分）

「文化による繁栄こそが麗江を支える」と徐霞客は木増に助言した。

己の進むべき道を確信した木増は、秘宝と呼ばれる経典・大蔵経を借りるため、チンワ・タクツェ宮の高僧を紹介してほしいとドルツェ大師に依頼する。

（45分）

「お腹の赤ん坊は無事だ」と木増から聞いた阿勒邱はほっと胸をなでおろす。

そして、もう一つの心配事だった阿照も幸い処刑を免れた。

すぐに阿照は阿勒邱と会い、赤ん坊の無事も知り、笑顔を見せるのだが…。

（45分）

木隆は木旺と木青の位牌の前でひざまずき、木増に「私を殺せ」と言い放つ。

父と兄の2人を死に至らしめたこと、戦により民を犠牲にする愚を犯しかけたこと、これらの大罪を自分の命をもって償うつもりだった。

（46分）