天命の子

列国が覇権を争う春秋時代。

晋と楚が激戦を繰り広げる中、晋の勝利が確実という戦況で、晋の副将・卑南が味方の将軍を襲撃した。

指揮官を失った晋は一転して劣勢となり、瀕死の兵士が続出する。

（46分）

弟の遺言を届けてくれた程嬰に感服し、卿大夫の趙朔は楚に捕らわれた程嬰の妻・宋香の救出を食客の公孫杵臼に依頼する。

一方、謀反の首謀者である司寇の屠岸賈は、戦場から1人帰還した手下・卑南の口封じを企てる。

（46分）

程嬰と宋香が屠岸賈にさらわれた。

交換条件が卑南の生首だと聞いた趙朔の側近たちは皆、卑南を生かして屠岸賈の悪事を暴くよう趙朔に進言するが、情に厚い趙朔は忠義者の程嬰を犠牲にできず苦悩していた。

（46分）

解放された宋香は程嬰の願いとは真逆の行動を取った。

自害を演じた上、見殺しにされようとしている夫の不幸を趙朔の妻・荘姫の前で嘆いたのだ。

慈悲心と正義感にあふれた荘姫は自分と同じ身重の宋香に深く同情する。

（46分）

練兵場で景公に向かって矢が放たれた。

3人の刺客が逃走に使った抜け道が宮廷の車庫に通じていたことから、車庫の責任者である趙家の配下は自害に追い込まれてしまう。

また、趙朔にも嫌疑が掛かる。

（46分）

暗殺未遂の一件以来、景公は不眠に悩んでおり、御典医もお手上げと聞いた荘姫は程嬰に往診を依頼する。

大切な姉の推薦とあっては町医者とはいえ追い返すわけにもいかず、景公は仕方なく診察を受ける。

（46分）

側近の到満を誘拐し、屠岸賈に暗殺未遂の実行犯3人を差し出させた公孫杵臼の策は成功したかに見えた。

一方、刺客たちは約束の報酬を受け取っていないため恨みを抱いており、屠岸賈が黒幕であることを白状する。

（46分）

刺客たちにうその自白を強要したとの濡れ衣などで、趙朔の立場はますます危うくなっていた。

そんな中、程嬰に呼び戻されてようやく帰還した趙朔は、身に覚えのない数々の証拠を突きつけられて困惑する。

（46分）

秦国から打診された共同戦線の是非をあらゆる可能性から検討した結果、趙朔と韓厥はこの提案に賛同した。

これは、楚の属国である鄭をも巻き込んで晋と秦の2国で楚を落とすという巧妙な策だった。

（46分）

屠岸夫人への往診の際、飢饉発生を知らせる上奏書を発見した程嬰は屠岸賈の策略に気付く。

出征した趙朔を陥れるために地方の緊急事態を伏せたまま、お救い米を兵糧として軍に持たせたのだった。

（46分）

楚の将軍が石言であることを知った程嬰は、公孫杵臼と共に馬車で楚軍の野営地に到着。

かつての戦で命を救ってくれた程嬰との再会を心から喜ぶ石言だが、その恩人の頼みは、敵である晋へ兵糧を提供することだった。

（46分）

趙朔が罪人として帰国することになった。

先に帰還した程嬰は、夫の命乞いをするため宮廷へと向かう荘姫を引き留め、ある提言をする。

それは、景公の前で夫を罵って降格と左遷を願い出るというものだった。

（46分）

虎符を返上した趙朔は、兵権を失ったが義弟である景公を信じていた。

業を煮やした公孫杵臼は、屠岸賈の邸宅へ続く地下道を暗殺目的で掘り進める。

これを知った趙朔は中止するよう命じるが、公孫は聞く耳を持たない。

（46分）

屠岸賈暗殺を諦めた公孫杵臼は、生まれてくる程嬰夫婦の赤子のために揺り籠を作っていた。

それを見た程嬰は、自分たち夫婦の犠牲になった公孫の妻に思いを馳せ、次の子が男児なら公孫に譲り渡すと約束する。

（46分）

景公の望みを叶えるべく産気づいた自らの妻を残し、屠岸賈は趙朔を訪ねて進言。

「趙朔の死を目撃すれば荘姫は正気を失い、お腹の子にも障るだろう、ゆえに荘姫をすぐに参内させ宮中で出産させよ」と告げた。

（46分）

「趙朔の子・趙武が将来、その命を狙うだろう」と屠岸賈は景公に予言した。

愛する姉の子でもある趙武を庇護するのが趙朔を殺したせめてもの罪滅ぼしだと考えていた景公は、この予言に青ざめてまたもや翻意する。

（46分）

程嬰夫妻は自らの息子・程大業と趙朔の遺児・趙武を連れ、公孫杵臼と共に韓厥の屋敷に逃げ込んだ。

しかし、趙朔の親友だったはずの韓厥は「趙武をかくまえば一族皆殺しになりかねない」と関わり合いを拒む。

（46分）

趙武を亡き者にして後顧の憂いを絶ちたい屠岸賈の指揮により、都中の赤子が殺されようとしていた。

将来王位を狙う自分の息子にとって趙武は邪魔者だったからだ。

程嬰と公孫杵臼は、この悲劇を打破する策を思案する。

（46分）

程嬰と公孫杵臼は捨て身の策に出た。

趙朔の霊位を祭った森で公孫が赤子を抱いて待っていると、兵たちの足音が迫る。

公孫は、趙武の居場所を密告した程嬰を罵りながら抵抗するが、多勢に無勢でほどなく勝負はついた。

（46分）

楚国の石言が晋を訪れた。

趙一族を粛清し実質的な最高実力者となった屠岸賈に、楚王からの忠告を伝えるためだった。

そして「楚が仕掛ける戦に勝利した後、凱旋の勢いに乗じて景公を追放せよ」と謀反を促した。

（46分）

趙朔が夜ごと悪夢にうなされていたため、占い師が呼ばれることになった。

荘姫は、長年面倒を見ている大祭師が弟の夢解きをすると聞き、それに乗じて息子を死なせた程嬰に復讐しようと思い付く。

（46分）

風邪をひいた景公を往診するよう命が下り、自らの運命を悟った程嬰は、けがのため静養している石言に妻子を託して参内した。

公孫杵臼を裏切って趙武を殺した程嬰を恨む韓厥は、この機会を心待ちにしていた。

（46分）

復讐に燃える荘姫から家族を守るため、石言と共に楚国へ移住することを決意した程嬰は、趙朔の右腕だった韓厥に兵法書「六韜」を贈る。

程嬰を裏切り者と信じてやまない韓厥は、何か邪心があるのではと勘ぐった。

（46分）

独断で荘姫を訪ねたことが屠岸賈の逆鱗に触れて叱責された到満は、反論した後に屠岸邸を出て行った。

一方、夫と息子を死に追いやった弟の景公を窮地に陥れたい荘姫は、秦国の使者・離楼とひそかに会っていた。

（46分）

離楼が放った追っ手は、程嬰の首の代わりに宋香と赤子を捕らえて荘姫の元へ運んだ。

それを知った程嬰は都へ戻ることを決め、屠岸賈を頼る覚悟をした。

妻子を危険から遠ざけ、無事に趙武を育てなければならない。

（46分）

程嬰は自らの命と引き換えに妻子の釈放を荘姫に懇願し、自分の死後は大業を楚国の石言に預けてほしいと訴えた。

一方、行方不明になっていた病気療養中の韓厥の部下は、荘姫の手引きにより秦国の離楼の掌中にあった。

（46分）

程嬰が屠岸邸に滞在し始めると同時に、到満が屠岸賈に詫びを入れて戻って来た。

罰として厨房係に回されたのを幸いと、到満は程嬰に毒入りの汁物を飲ませようと画策したが、そのたくらみはあっさり露呈する。

（46分）

5歳になる大業がまだ言葉を話せないことを程嬰夫婦は悩んでいた。

大業を馬鹿にした到満に、程嬰は思わず手を上げてしまう。

同情した屠岸賈は、晋を訪れている秦国の名医・医緩の診察を勧めた。

（46分）

血で赤く染まっていた井戸水は郤克の自害と共に元に戻り、巫師のお告げは正しかったと民が歓喜に沸く中、程嬰だけは「全ては政敵を葬るために屠岸賈が仕組んだ茶番なのだ」と地団駄を踏んでいた。

（46分）

名韜率いる秦国20万の兵が迫っていた。

19年前の大敗以来、名韜の戦法を知り尽くしていた韓厥に、景公は虎符を授ける。

大業と無姜は戦に出ることを熱望するが、2人の父親は韓厥にとって不倶戴天の敵だった。

（46分）

大業の出征を阻止したい程嬰は、無姜を案ずる到満に相談を持ち掛け、韓厥以外の者に主将を交代させる策を伝えた。

それに乗った到満は景公に拝謁し、無姜が殺され晋に内乱が起きる危険性を示唆する。

（46分）

戦に出たいと訴える大業を拒んだ揚げ句、韓厥は程嬰を侮辱した。

憤慨した大業は韓厥に剣を向けるが、逆に負傷する。

「趙家の仇」と罵られるような過去があったのか程嬰に問いただすが、はぐらかされてしまう。

（46分）

石言の娘・湘霊が程嬰を頼って訪ねてきた。

大業は彼女と共に趙氏の系譜や功績を調べ始め、趙朔にまで到達する。

程嬰が19年間、大業の耳に入れぬよう腐心してきた忌まわしい事件について知るのも時間の問題だった。

（46分）

大業は趙朔の屋敷跡地で偶然に出会った荘姫から、19年前の趙氏にまつわる事件と程嬰の赤子殺しについて聞かされる。

すぐさま屠岸賈に会って真偽を確かめたところ、その回答は無言の肯定だった。

（46分）

晋国に滞在している秦国の使者・離楼が、程嬰に屠岸賈の暗殺を持ち掛ける。

「成功したら趙朔の濡れ衣を晴らす」という条件だ。

一方、父親に失望して家を飛び出した大業は、ある宿屋で盲目の講釈師と遭遇する。

（46分）

宋香の回復を確信した屠岸賈と到満は、大業が趙朔の遺児であるという疑いを強める。

一方、大業が書いた何十もの竹簡を持ち帰った荘姫は、それらを調べるうちに「大業」が趙氏の始祖の名であることを知った。

（46分）

草児の講釈を聞いた誰もが、取り替えられた赤子は趙朔と屠岸賈の息子だと思い、無姜本人も自身の出自を疑い始める。

そして、大業と共に真相を確かめるため、当時のことを知るという医者を訪ねることにした。

（46分）

自らの出生について調べ始めた無姜は父親に対する疑惑を募らせる。

程嬰は家に帰らない息子を連れ戻すよう屠岸賈に命じられ、草児が出没する宿屋を訪ね、無姜に父親への疑いが正しいものかどうかを問う。

（46分）

屠岸賈より執訊令の役職を命じられた大業は、次々と関係者に審問する。

その結果、趙朔が他人のために奔走する義に厚い人徳者だったことや、今もみんなが趙朔の死を悼んでいることが明らかとなった。

（46分）

草児は屠岸賈に罪を着せようと自らを刀で刺し致命傷を負う。

程嬰も匙を投げ、無姜が最期を看取ろうとした所に秦国の名医・医緩が現れた。

思わぬ偶然だと喜ぶや否や、程嬰はあることに気付くき行動に出る。

（46分）

草児が屠岸賈の娘であり、屠岸賈が彼女を殺そうとしたという話を無姜は信じていた。

その誤解が、19年前の赤子取り替えの話に信憑性を与えることとなる。

一人息子に責められても誤解を解く術は屠岸賈にはなかった。

（46分）

夜更けに酒を携えた屠岸賈が程嬰を訪ねた。

神妙な面持ちの屠岸賈に程嬰は、終わりが近いことを悟らせようとするが、屠岸賈は頑として受け入れない。

一方、大業は到満と刺客たちの裏をかいて離楼の宿に忍び込んだ。

（46分）

約束通り宮殿に戻った趙武には死罪の道しか残されていなかったが、荘姫が待ったをかける。

「この者は趙武ではない」と訴えることで景公に言い訳を与えた。

景公は全てを理解した上でそれを受諾する。

（46分）

屠岸賈に恐れをなした景公は亡命を決め、長く間近で仕えた大監・冉白だけを伴って馬車で魯国へ向かった。

しかし、晋国を出ないうちに無姜の馬車に追いつかれ、冉白までもが屠岸賈の手下だったことを知る。

（46分）

趙武は司寇に任ぜられたにも関わらず、実の父と一族を死に追いやった屠岸賈への死刑を拒む。

屠岸賈を深く憎む韓厥は、正当に審議したいという趙武の冷静さが理解できず、育ての親である程嬰にも怒りをぶつけた。

（46分）