少女椿

役者たちの怪演！

素晴らしかった…原作は未読です。
どの役者さんも雰囲気のある演技が良かったです。椿役の女優さんは初々しさが本当に椿っぽい。こなれた女優を起用しなかったのは正解。
何と言ってもワンダーを演じた風間俊介さんがこんなに演技が上手とは！
稀代の役者だと思った。
風間俊介さんの快演が他の役者にも相乗効果でいい影響を与えたと思います。
内容は欲が深いと身を滅ぼす、全て失うというメッセージを感じました。おじさんの悲しい恋、いや愛がなせる技。椿はいつか魔法や富や名声よりも、自分をひたすら愛してくれた人の存在がどれだけかけがえのないものだったか気づくでしょう。
悲しい物語ですけど深いと思います。

原作に忠実に実写化させた映画

原作のきめ細かい部分まで緻密に実写化させたところが監督の原作愛を感じました。
アニメーション映像やCG,美術、音楽、衣装にいたるまで計算された凄い映画でした。
連日満席でなかなか見れずやっと見れましたが連日満席な理由が
わかりました。

一口寸評

監督は、ファッション・ブロガー、デザイナーとしても活躍する20代（？）の女性らしい。
「ガロ」時代から知っている丸尾末広の漫画の映画化で、実に奇妙な取り合わせである。
カルト、レトロ、サイケデリック、キッチュ、エロチック、グロテスク、ポップといった感覚をすべてごった煮にしたような極彩色の映像が楽しい。
親を亡くし、赤猫サーカス団に拾われたみどり（中村理砂）が体験する幻想譚の数々。
ホラー的シーンの表現がチープなのは、計算づくか、金がなかったのか。
丸尾漫画の世界観とは多少ズレがあるけれど、ヒロインがとても魅力的で目が離せなくなった。
寺山修司には遠いが山田勇男監督には肉薄している。
そんな監督の、色彩感覚も含めたオリジナルな才能に可能性を感じた。

チープな感じもいい、見世物映画。

今なぜ、少女椿なのだろう。
原作は30年以上前に発表された、過激な性表現、独特の世界で一部熱狂的なファンがいた丸尾末広のマンガ。
「一部熱狂的」であるがゆえにメジャーではほとんど知られずに今日に至っている。
この独特の世界観を映画で表現できるのか…？
また、特に若い世代は興味を持つのか…？
丸尾の「一部熱狂的」ファンであった私は、とにかく上映館へ足を運んだ。
観客の世代、オヤジは私一人で、あとは20代の女性が多い。若いカップルも。
「怖いもの見たさ」「お化け屋敷みたいな…」そんな感じの会話を耳にする。
主役・みどりはこの作品で映画主役デビューの中村里砂。
マンガのイメージにぴったりなのである。
おそらく彼女の存在こそが今回の映画化を実現させたのではないか。
監督TORICOが7年もの間、映画化に奔走して完成にこぎつけた作品だとあったが、もしかして、中村里砂に出会ったことが、映画化を可能にしたのかもしれない。
登場人物の中で、唯一「ふつう」の人間で、ちょっと「足りない」少女、みどりが親を亡くし、
怪しげな見世物興業の一行に引き取られ、悪夢とも現実ともいえない事象を次々と体験する。
マニアックなエロと理不尽なバイオレンス、金欲と性欲が渦巻く見世物小屋を舞台に、「化け物」な回りのキャラたちに翻弄されながら、みどりは一人、生きて行く…。
「お化け屋敷」体験としてはかなり出来のいい映画か。
原作と比べて、変態さ、スプラッシュ的場面も少し雑ではあるが見やすく、むしろ可愛らしく映画化されていた。
みどり以外の登場人物も、原作ではあまり心情は描かれないが、映画では少し、人間的な味付けがされている。
丸尾末広のマンガは、もしかして自分の中にもあるかもしれない「変態性」が揺り動かされるのではないか、というような危なさがあったが、映画ではマイナーなエンターティンメントとして上手く作ってあるなという感じ。
若い観客のも楽しんでいたようで、おじさんは少し安心。
映画館からの去り際、「少女椿」のポスター、かわいいので残りありませんかと映画館スタッフに訊いていた若いおねえさん、モデルとしての中村里砂のファンらしい。
そっちからのアプローチでも、かなり楽しめるのではないかと。
たぶん、もう少し予算があれば、変態さ、スプラッシュさもかなりの仔細な描写まで行けたのかと思うが、今回の映画化で処々に見られる安っぽい、雑さ加減も悪くない。
突っ込みどころがある映画、ちょっとしたチープさを笑う感じ、マイナー、アンダーグラウンドを友人と楽しんだ昔をちょっと思い出しました。

学芸会

学芸会のような作品。けしてけなしているのではなく、学芸会で感動させてもらった感じ。限られた状況の中で創りたい意識がとても伝わった。細かいツッコミどころ（作り込みの甘さ）はあれど、身の丈の範囲内でしっかり丸尾末広ワールドの１映像化となっていた。キャスト、スタッフ一同の作品への思いが感じられました。風間俊介、森野美咲の演技が良かった。中村里砂は台詞なってないが、目では頑張って演技していた。また観に行ってしまうと思う。

これもある意味漫画原作成功例

漫画原作の実写映画化の駄作が多い中、これは成功なんじゃないかな。
良く出来てると思うし、サイケな雰囲気も好き。
それにしても中村里砂が可愛い。
ミドリ役やるには26歳は年取りすぎだと思ったけど全然気にならない。
ワンダー正光の風間俊介も原作とは違いすぎると思ったけどすごくいい。
これは久しぶりに面白い映画でした！

発禁の世界観を見事に表現

漫画原作の映画が多い中、これもまた異質ながら漫画原作の実写映画になる。
原作は差別用語とエログロのオンパレードで今も手に入るのは改訂版のみ。
オリジナル初版は闇に葬られプレミア価格で取引されている漫画であるがゆえに
実写化するとかあまりにも無謀だと思わざるをえなかった。
何しろアニメ化された作品ですらたまに細々と上映会が開かれる程度で
DVD化も絶望的であるからだ。
しかしこの実写は出来る範囲の表現を見事に映像化している。
さすがに差別用語などは出なかったが、それでもかなり危ない内容には違いない。
みどり役の中村里砂をはじめサーカス団員たちもかなりの熱演で演技もよく
まさに原作から抜け出たような雰囲気を醸し出していた。
ラストは原作と大幅に変更されていたが、内容自体特にネタに走るわけでもなく
過剰な演出はあっても大真面目に作っているという印象で最後まで中だるみも無く
一気に見せてくれるのは見事としか言いようがない。
話のネタにする程度の気持ちで観に行ったが、これは予想以上の傑作であった。

モゾモゾもじもじ

丸尾末広の原作漫画は未読。
アニメーション『地下幻燈劇画　少女椿』
は魅了されました。
むしろ原作世界は十分に描かれていたと
思えました。
さて、実写版ですが
今の時代グロい見世物小屋は
表現が出来ないであろう。
狙ったであろうチープさも
昭和初期の可憐さも
限界をみた。
なんだか昔のVシネマの感覚も
あったので、
もっとモゾモゾ暴れて欲しかったよ。
モゾモゾもじもじ。
主役は中村さんちのお母さんに
似ている次女さん、
華ではあった。

丸尾末広の作品を読むのは初めてです。

『少女椿』は比較的に過激な描写は少ないそうですが、丸尾末広の世界観を味わうには申し分ないと思います。
独特な雰囲気で最後まで飽きずにどんどん読み進めていくことができました。面白かったです。

アニメを見てから月日がたっても無性に読みたくなり購入

丸尾氏にしか描けない美しさと醜さ。丸尾作品中、一二を争う素晴らしい作品。