クヒオ大佐

肩肘張らずに笑えた

もともと興味のあった詐欺事件が題材なので観たが、役者陣の演技やセリフがさりげなくリアルかつコミカルで5分おきに笑えた。特に堺雅人の目表情は出色
題材に依るところでもあるが、作品全体を包む滑稽さで肩ひじ張らずに笑えた

堺ファンならとても楽しい

おもしろかった。

妄想。やっぱりこの人の映画大好きだ！

吉田大八さん、やっぱりこの監督の映画、大好きだ。
パーマネント野ばら、桐島、腑抜け。どれも素晴らし過ぎる。
共通するテーマは、妄想なくて生きていけない人々。
そして必ず、それは妄想であると、物語のどこかでひっくり返る。
どこかで力関係が変る。なんて世界はもろいのか。
つまり吉田監督は神の視点で、物語を俯瞰して見ている。
そしてひっくり返してしまうのだけど、
そこには必ず何というか、優しさや哀しさがある。
哀しい人間に対する愛みたいなもの。
この映画も笑ってしまうのだけど、つきつめて考えるとあまりに哀しい。
人は弱いので、都合の良い妄想なしには生きていけない。
作品によってその程度は違うけれども、この作品もとても哀しい話。
少年はいつか、強くてカッコいいアメリカ軍に助けに来て欲しかったんだ。
幼くして現実に絶望した人の生きるすべはそれしかなかった。
あまりに切ない。
でも同時に、吉田さんの凄いところは、そのヒーローであるアメリカが、
あまりにも自分たちに都合の良い理屈を言ってくることも描いているところ。
独善的なアメリカも同時に描いているところ。
そのハイブロウな視点があるから、ただのお涙話にはならない。
堺雅人は本当に面白い。この人ならでは。もうニヤニヤが止まらない。
しょーもない。新井さんも、また良い味を出している。
そして女性陣のキャスティングもいい。
ああ、作品ってやっぱりセンスだよな～と。
そのあたりすべて含めて、やはり吉田監督大好き。
最後の演出のあたりも。笑えるし、哀しいし、切ないし。

全部好き

実話を元にしてあるからこその切なさが良いです。
そして堺雅人さんのクヒオ大佐は本当に切ないです。
哀れで可笑しいです。
なんて哀しい人なんだと思わせる素晴らしい演技でした。
松雪泰子さんも見事に哀しい女でした。
この映画は、大人の男と女のバカな哀しさでいっぱいで好きです。
パロディじゃないのにバカな生き様に笑わせられます。泣き笑いのような深みがあります。
この世界観で最後まで切なく哀しく笑わせてくれたこの映画が大好きです。

クセになる

堺雅人さんが好きで、観賞しました。
新井さんとのカラミが最高にツボでした。
松雪さんの美人さも安定しているし、全体的に見て良かったです。
何故か見終わった後にシーンの端々を思い出してしまい、また見たいかもと思ってしまいます。
満島さんや、アンジャッシュの児島さんも良かったし、堺さんの絶妙な胡散臭さ、松雪さんの白く透き通る美肌・・あとやっぱり新井さんとのカラミ。
ああ、やっぱりもう一回見たい！！

この映画はもっと評価されてもいいはず。

全員の演技力に圧巻です。
笑えたし泣けました。もっと評価されてもいいのに。。。つぼにはまる人ははまるはずです。私にはばっちりはまりました。
ジェネラルルージュの演技がすごく評価されている堺さんですが、私はこの堺さんが今のところ1番好きです。
堺雅人ファンは要チェックです。

哀しみと皮肉のクヒオ大佐

全体的に笑える。
堺雅人というかクヒオ大佐。ハマりすぎでしょう。
どこまでも嘘しかつけないクヒオさん。嘘がバレても、嘘をつき続けてた、悲しい人です。
英語が分からず、松雪泰子の弟（新井浩文）に脅され、間違えて「Don't kill you!」と口走ってしまうのは思いっきり吹き出してしまいました。
新井浩文と堺雅人のやり取りが最高です。
子供のころの辛い思い出も結局誰にも真実を語れず、明るく美化した話しかできず、とても切ないし、悲しくなる。
でも私はこの作品泣かせたいわけじゃないと思うな～。
男と女の話じゃなくて、別のテーマがあるんですよね…。
ニガクリタケを食べようとさせて、実はそれは毒のないクリタケだったというお話。
どこまでも話に乗っかり騙されつづけ、意を決して今度はだましたつもりでも、ここぞというときに逃がしてしまうなんて…。あいたたた…。人間いろんなタイプがいますね。
でもそんな松雪泰子のキャラクターが凄く良かったです。
悪くて鋭い弟との、姉弟愛も良かった～。
そして、満島ひかりもやっぱり良いですね～。
私はこの映画、満島ひかりと安藤サクラが出てるってだけで、愛のむきだしの凄さを想像してしまい、凄く腹をくくって見なきゃいけない気分だったんです。
でも二人の絡みはあるものの全然違くて、当たり前かもしれませんが、二人ともあの映画とは全然別で、とてもあっさりしてて、とてもいいキャラクターでした。

[ネタバレ]すみません、食わず嫌いでした、

予告を観て、正直面白くなさそう…と思ってました。DVDを借りて自宅で観たのですが、珍しく、一気に二度観してしまいました。二回目は早送りを交えつつでしたが…。
クヒオ大佐はうさんくさい人物で、元々そういう設定になっていると思うので、これじゃあ堺雅人さんの演技力がでないよなぁ…と思っていたのですが、観たあとで振り返ってみると、姿勢や表情、声など随所に彼の魅力が光っていたことをしみじみ感じました。最後に林の中で叫ぶシーンが好きです。
そして、この作品で私の中での新井浩文さんの株が急上昇しました！今まで「漫才ギャング」や「さよなら、クロ」などに出演されているのは観てきましたが、今回の、大佐に騙されてしまう女性の弟役は違和感なくハマってました☆ちょっと悪そうだけど人間味があって、お姉さんを慕っている感じ。名脇役ですね~。海のシーンが最高でした！
クヒオ大佐が異常なほどに子供に優しいのは、生い立ちに関係しているのかなと思っていたので、やっぱり…という感じでした。切なく心に引っかかるのは、実在した人物ということが大きいと思います。

騙しではなく相手が望むことをしているだけ

アメリカ兵になりすましクヒオ大佐と名乗る結婚詐欺師の日本人男を堺雅人が好演。
女性を次々と騙すこの男は、幼少期の経験からどこか淋しげで、そしてぬけていて憎めぬ雰囲気だ。
「騙しているのではない、相手が望むことをしているだけ。」―彼の中でこれは限りなく真実に近いのだろう。
松雪泰子演じる女性がとことん馬鹿になって彼をひたすら愛し、しかし実は色々と分かっていて何もかも受け入れているところが、この上なく切ない。
独特の雰囲気、予想できぬ展開、最後まで突っ切るパワーの三拍子揃った作品。

なにこれ超おもしろい

この映画の堺雅人は適役。
あのニヤけた顔が、現実を見ることを拒否してしまっている顔、いくらピンチになっても笑ってしまう、自己防衛のためにニヤけてしまう悲しい過去を持った男の顔、という設定なので最高です。
セリフ回しの面白さも最高におもしろかったです。
「今、イスラーイルの上空にいるよ～」
とか
松雪「それじゃあ死ねないわ、だって偽物でしょ」
クヒオ「なにいってんだよ～。ホンモノだよ～」
ちょっと冷静になったときの普通アクセント
弟「明日までに100万持って来い」
クヒオ「…あさって」
とかも声を出して笑えました
あとは、弁当を食べながら自分の出生話をするときのイメージと実際の過去の差異が悲しくて良いシーンですね。
個人的には苦手だった俳優の堺雅人の良さが理解できた映画だったし、中島哲也監督の「嫌われ松子の一生」的な美しさと悲しさが大変良く描けている素晴らしい映画だと思いました。
だけど、阿部寛が主演ならもっとヒットしたでしょうね笑